ただいま!と玄関を入るや、コナンは駆け寄ってきます。
ひとりぼっちで長い間留守番をしてくれているので、私はむんずとコナンの背のリードを
持ち上げ、胸に抱きます。
「そうだよ。寂しかったんだよ」と言わんばかりにコナンはわたしの胸に顔を擦り付けます。
または腕の脇に顔を埋めます。
こうして帰宅後の儀式は終わります。
14才になったコナンは立派な老犬です。
最近は老犬のわがままが出ました。
自分の要求があると「クワーン、クワーン、クワーン」と長鳴きをして
要求を叶えようとします。
主に『ボールが戸の隙間に入ったから取って!』とか、料理の準備をし出すと
『そのレタスや胡瓜、トマトが食べたい』と言ってです。
なんとコナンは結構なベジ派です。
わたしが自分の部屋で本でも読んでいると、必ずやって来て、私の体の一部にそっと
触れて座っています。
こんなに愛すべき存在がいるでしょうか。
以前は孤独を愛するコナンと思っていたのですが、
もう一匹のティコちゃんが去年亡くなってからは、朝わたしが出かけようとすると
今度は『行くな』とでも言うかのように吠え声が外にまで聞こえます。
もう一匹の存在が大きかったんだなと思います。
それがちょっと辛い朝の一コマです。
この夏も無事元気で乗り越えてくれますように!